1頭金はなしでも住宅ローンを借入できる?



最近は、頭金がなくてもマイホーム購入に踏み切る人は増えています。景気回復により住宅価格が上昇しており、住宅ローンは引き続き低金利。
住宅ローン減税も受けられることもあって、マイホーム購入へのハードルは下がっています。


ちなみに私は、頭金なしでマンションを購入しました。理由は、頭金を500万なんて考えていると何年先??!!と思ってしまったから。
もう1つは、今の家賃と同じ、(ボーナス時なし)で組めるならリスクはないと判断したから。
なので、それに見合う物件を購入したということになりますが。次男も産まれ、前の賃貸では狭くなりました。
だからと言って、それ以上広い賃貸住宅は、とっても家賃が高く、購入したほうが月々の支払が安かったのです!


どれが正解なのかは分かりません。長期的な支払いで見ると、ソンもあるはず。大切なことは、全てを知った上で
「今の私たち家族に合うものはどれか」を見つけることですね。

住宅ローン金利はいつ上昇するかもしれない。しかもコツコツ貯蓄しても、預金の金利は期待できないだけでなく、消費税が増税されるのは確実。となると自己資金が不十分でも「今買っておいた方がいいかも」と考える人が多いのでしょう。


マイホームは一生に一度の大きな買い物です。頭金を入れずに購入しても大丈夫でしょうか。頭金が必要な理由を探ってみました。


1-1.頭金が2割必要といわれる理由は何?



一般的にマイホーム購入の際には、購入価格に対して2割程度の頭金が必要といわれています。その理由として考えられているのが昔のなごり。


どういうことかというと、現在の住宅金融支援機構は、元々住宅金融公庫という政府系金融機関でした。2007年4月に組織変更されるまで、住宅ローンの借入は住宅金融公庫からというのが一般的だったのです。住宅金融公庫の融資上限は購入価格の8割


つまり、残り2割は自己資金もしくは銀行などの金融機関で借入されていました。こうした背景から「頭金は2割」という発想が、今も引き継がれているといわれています。


1-2.頭金を入れて月々の返済額を減らす



住宅ローンの借入にあたって、必ず注意したいのが月々の返済額。頭金を入れて借入額を減らすことで、月々の返済額を抑えることが可能です。


早まって「共働きだから家賃と同じ金額なら返せるはず」と楽観的に考えるのは一番危険です。
この先、2人目、3人目の子どもが生まれたら夫婦どちらか、休職や退職をするはめになると、たちまち家計は苦しくなってしまいます。年齢が進むにつれて、親の介護が必要になる場合も生じるといった家族の変化も視野に入れておかなければいけません。


住宅ローン破綻を避けるためにも、毎月の返済額も十分に確かめてからマイホーム購入を検討しましょう。

      毎月の返済可能額=(①-②-③-④)÷12ヶ月
     ①手取収入
     ②住宅費以外の支出 
     ③住宅に関する年間維持費 
     ④将来に向けた貯蓄



毎月の返済可能額は、上記のように計算することができます。住宅ローン以外に、固定資産税や都市計画税、マンションの場合には管理費・修繕積立金、駐車場・駐輪場の使用料といった諸費用や貯蓄なども踏まえて、月々の返済額を計画しましょう。



1-3.頭金を入れて利息を減らす


現在は、住宅ローン商品も豊富にあり、頭金ゼロ円で住宅ローンの借入が可能な時代です。ただ、購入金額に対する頭金の金額によっては、金利が下がるサービスも登場しているため、少しでも多く頭金を入れておきたいもの。


ちなみに、住宅ローンの返済には、金利の変動リスクが避けられません。金利が上がってしまうと「借入時にがんばって頭金を入れて金利を安くできたのに」と後悔するハメに。


こうしたリスクを避けるために、返済終了までの全期間が固定金利のフラット35を利用するのもおすすめです。全期間の固定金利ならば、たとえ将来的に金利が上昇しても、融資受取時に確定した借入金利で返済を継続できます。



◆フラット35なら、購入価格に対して借入額が9割を超えると住宅ローンの金利が約0.44%高くなる!

返済期間 融資率 金利の範囲 最も多い金利
21年以上35年以下 9割以下 年1.120%~年1.690% 年1.120%
9割超 年1.560%~年2.130% 年1.560%
20年以下 9割以下 年1.020%~年1.590% 年1.020%
9割超 年1.460%~年2.030% 年1.460%



フラット35では、借入期間が21~25年で融資を受けた場合、自己資金が1割以下だと金利水準が約0.44%も上がります。この差がどのくらいお得になるのか、詳しく見ていきましょう。


1-4.頭金があるとき、ないときのシミュレーション



融資率が9割以下の金利は年1.120%、融資率が9割を超えると年1.560%の金利。たったそれだけの差でも、トータルの支払額で計算すると、数百万円も余分に支払うことになります。実際にシミュレーションしてみましょう。


◆頭金がある場合の金利全期間1.120%
年齢33歳、借入額3000万円、借入期間30年で計算
総返済額 1年の返済額
35,335,391 円 1,177,848円
毎月の返済額
98,154円
総支返済額内訳
利息割合 15.1 %
うち利息分 5,335,391 円

◆頭金がない場合の金利全期間1.560%
年齢33歳、借入額3000万円、借入期間30年で計算
総返済額 1年の返済額
37,584,583 円 1,252,812円
毎月の返済額
104,401円
総支返済額内訳
利息割合 20.20%
うち利息分 7,584,583 円

毎月の返済額は頭金ありでは98,154円、頭金なしの104,401円と6247円安くなる程度ですが、総支払額で比較すると頭金ありでは35,335,391 円、頭金なしは37,584,583 円。


その差、2,249,192円となります! このシミュレーションからもわかるように、返済額を少なくするには、頭金をできるだけ多く入れた方が、金利も安くなって購入資金をお得に借入できるのです。

 

2.頭金はいくら入れるのがベスト?



頭金が多ければ多い方が良いのは当然ですが、目標額を決めておいた方が貯蓄の励みにもなりますよね。とはいえ、預金金利が低いこの時代に、頭金を充分に貯めるには、ある程度の年数を要します。そこで、どの程度を目安に自己資金を用意するべきなのかを調べてみました。

2-1.みんなはどのくらい頭金を入れてるの?


頭金の重要性は理解できるものの、どの程度まで自己資金を用意すればよいのでしょうか。ひとつの目安として、住宅ローンを利用している人の頭金の平均値を参考にしてみました。
(資料:2015 年度フラット35利用者調査)


◆土地付き注文住宅
・平均年齢37.3歳 平均家族数3.4人 世帯収入610.5万円
・購入価格の平均が建物と土地を合わせて3897.9万円に対して、497.3万円の頭金が平均値となっています。


◆建売住宅
・平均年齢38.7歳 平均家族数3.2人 世帯収入568.5万円
・購入価格の平均3280万円に対して409.4万円の頭金が平均値となっています。


◆マンション
・平均年齢42歳 平均家族数2.5人 世帯収入786.5万円
・購入価格の平均4249.7万円に対して、889.3万円の頭金が平均値となっています。

頭金の平均は、約10~20%台。つまり約1割~2割は頭金を捻出しているということです。


また、土地付き注文住宅や建売住宅を取得する年齢は37~38歳、世帯収入は569~611万円が平均値です。
マンション取得は平均年齢42歳と土地付き注文住宅や建売住宅よりも4~5歳上が平均値となっています。
そのうえマンションは、購入価格・頭金ともに最も高い水準となっていることがうかがえます。

2-2.足りない分は親頼み?贈与税は非課税に


少ない頭金でも、できるだけ早くマイホームを購入したい!そんな人が頼りにするのは親の援助です。マイホーム取得で資金援助してもらえる場合は、税制面でのメリットも。
親や祖父母など直系尊属から一定の要件を満たす住宅取得資金を贈与された場合、700万円(省エネ住宅は1,200万円)までなら贈与税は非課税になります。

3.頭金の払い過ぎにも気を付けよう


3-1.頭金を払いすぎて預金がなくなるリスクも考えて



手元の預金をすべて頭金につぎ込んでしまうのはハイリスク。手元にまとまった現金がなければ、日々の生活に新たな不安が生じてしまって、せっかくマイホームを購入しても心から楽しめないですよね。


病気などの万が一のとき、さらに子どもの教育資金や老後資金として残しておくことが大切。住宅ローンの頭金を計画するには「いくら残すか」も考えておきましょう。


3-2.頭金以外に、初期費用が必要


マイホームを購入するにあたっては、頭金や住宅ローンの返済以外のお金も計画が必要です。契約時の諸費用や引っ越し費用、カーテンの買い替えといった出費が重なります。100~200万くらいは必要だと考えてください。


詳しくは>>住宅を購入する際に、物件以外に必要な予算は?住宅購入に係る「諸費用」とはをご覧ください。



仮に500万円の貯金があっても、全額頭金に使えるわけではありません。


4.まとめ



頭金は、マイホーム購入の資金計画すべてに大きく影響しています。どのくらいならば頭金が貯蓄できそうか?という視点から、マイホームの購入予算を逆算してみるのも手。


現在の住宅ローン低金利はいつまで続くかわかりません。金利が上昇して返済金額が一気にアップしてしまいます。10年、20年先の返済金額も見据えてマイホームの購入の自己資金は十分に計画を立てましょう。