マイホーム購入は一生に一度や二度のことだから、誰もがナーバスになりがちです。慎重に慎重を期して検討することも大切ですが、不安になりすぎて、選べなくなってしまうのも困りものですよね。

大事な買い物だからこそ、後悔しないために、自分が大切にしたい条件を明確にして、優先順位を決めておくことが大切です。今回は、理想のわが家を手に入れるためのマイホーム探しの優先順位づくりのポイントをご紹介します。

1.マイホームを購入してから後悔する、よくある理由


マイホーム購入を経験した先輩たちが語る、事前にしっかり考えておけばよかった事例をご紹介します。後悔先に立たず、だからこそ先輩たちの意見は貴重です。

間取り編

【後悔その1 子供部屋問題編1】
広々としたリビングがほしかったので、部屋数を減らして子供部屋を一部屋に。当時は男の子2人兄弟だったのだが、引っ越した後に女の子が生まれた。

さすがに一部屋に三人は狭すぎるし、女の子と男の子を同室にするのは、思春期になると困ると思う。部屋数をしっかり検討すべきだった。


【後悔その2 子供部屋問題編2】
子供部屋は一人一部屋ずつ、夫の書斎、私の裁縫部屋など、個室をたくさんつくってしまったため、それぞれが個々の部屋に籠ってリビングに出てこなくなった。
家族団らんが減ってしまった。家族がみんなで過ごせる部屋をつくったらよかった。


【後悔その3 換気問題】
風呂場と洗面所は暗くても大丈夫だと思って、家の真ん中に配置し、窓側はリビングや寝室にあてた。その結果、風呂場や洗面所に湿気がたまって、掃除をしてもすぐカビが生える状態に。


【後悔その4 電気スイッチやコンセントの位置】
家具の配置などを意識せず、電気スイッチやコンセントの位置を決めた。その結果、パソコンやプリンターを置くデスク付近にコンセントがない、食器棚でコンセントが隠れてしまう、電気のスイッチが不便な位置にある、などが発生した。家具の配置や生活動線を考えて、位置を決めるべきだった。

周辺環境編

【後悔その5】
西向きの物件を購入。夫婦共働きで、平日は朝と夜しか自宅にいないので、基本的に家が薄暗い状態で常に電気を使用する状態に。日当たりはそんなに気にしていなかったが、自分たちの過ごす時間帯にあわせて方角を考えるべきだった。


【後悔その6】
駅近であることを希望し、駅徒歩2分の物件を購入。人通りが多い繁華街近くのため、ひと目が気になって洗濯物をベランダで干せない。アクセスはよく快適だが、生活面では快適と言えないのが残念。

2.マイホーム購入前に知っておきたい、住宅選びの極意



住宅選びで検討すべき項目は、エリア・立地・間取り・内装・広さなどがあります。どれも住宅選びで欠かせないものではありますが、すべての希望を叶える物件を見つけ出すことは非現実的で、優先順位をつけることが必要です。

暮らす人の家族構成やライフスタイルによって、その優先順位は異なります。自分たちにあった優先順位をつけることがマイホーム選びを進める上でのポイントです。


2-1.自分にピッタリ当てはまる、理想的な物件はほぼない

マイホーム選びでは、そもそも自分が望むすべての条件をクリアした物件と出会えることは、ほぼ皆無なのが現実です。


すべての希望条件を叶えられる物件があったとしたら、それはあなたのオーダーメイド物件だと言えます。オーダーメイド度合いに比例して、価格もおのずと上がっていきます。

こ内装や間取りなど建物自体をオーダーメイドすることは、注文住宅やリノベーション住宅で叶えることは可能ですが、立地や環境をオーダーメイドすることはできません。/span>

ですので、すべての条件を兼ね備える物件は、お金をいくら出しても手に入れられる可能性は低いと言えます。


理想の物件は誰もが欲しい物件です。理想物件に出会ったら、その瞬間すぐに手に入れないと他人の手に渡ってしまいます。争奪戦です。また、「掘り出し物件はありませんか?」と尋ねる人がいますが、基本的に住宅には掘り出し物件はありません。


住宅や不動産には市場価格(相場)があり、それぞれの価値に見合った価格が設定されています。どんなに待っても掘り出し物は出てきません。相場に比べて価格が下がっているものは、下がった理由が必ずあります。下がっている理由をしっかり調べましょう。

2-2.自分の希望と現実的な暮らし方がズレていることも


物件探しに夢中になると、自分が望む条件に矛盾が生じてしまう場合があります。

例えば、都心の住宅密集地で「眺望が良く、採光の良い物件を!」と望んでも、マンションやビルが立ち並ぶ密集地は眺望を望むのは非現実的です。


南向きの窓があっても目の前に向かいのマンションが立ちはだかっている…ということはよくある話です。エリアを変えなければ眺望を手に入れるのは難しいでしょう。


また、間取りや設備においても、自分の暮らしに必要ないものを望んでしまう場合もあります。
典型的なのは、基本的に外食で家ではほとんど料理をしないのに、大型のアイランドキッチンのある物件を選んでしまう…という例です。

物件をたくさん見ていくと、あれもほしい、これもほしい、と夢ばかりが膨らみがちになりますが、一呼吸おいて冷静な視点に立ち戻ることも大切です。

2-3.資金計画以上に後悔が大きくなることもある

マイホーム選びで大切なのは、「いかに自分たちの暮らしをイメージして検討できたか」によって変わってきます。暮らしは毎日の積み重ねであり、家は毎日使うものです。

家族の人数、朝などの各時間帯における生活動線・家事動線、設備の配置や使い勝手などをよく熟考することをおすすめします。「使いづらい」「暮らしづらい」は積み重なっていくとストレスのもとに。


3.家探しの前に行いたい、自分の理想の暮らしのリスト化



後悔しない家探しをおこなうためには、自分のことをまず知ることが大事です。そのためにも、自分がどんなことを重視しているのか、言語化することをおすすめします。


なんとなく考えるのではなく、言葉にして書き起こすことで、自分のイメージが明確になると同時に、家族とお互いに共有することもできます。

3-1.まずは家のイメージを思うままに書き出す

日当たりや立地、間取りや設備など自分が理想とするイメージの断片を書き出してみましょう。

1.日当たり:どんな時間帯にどの部屋に光が入ってほしいのか、入ってほしくないのか。自分や家族が家で活動する時間帯をイメージしながら考えましょう。


2.立地:エリアを重視するのか、それとも建物の周辺環境を重視するのか。通勤・通学、安全性などを検討しましょう。


3.間取り:家族の人数や年齢によって必要とする間取りは異なります。また家族とどんな距離感や関係性を保ちたいかでも異なってきます。生活動線によっても配置は異なってきます。


4.設備:機能性重視かデザイン性重視などをもとに、仕様やグレードを検討しましょう。設備グレードや機能によって価格は比例してくるのが大半なので、どの設備を重視するか、どの設備は重視しないか、などもあわせて検討することをおすすめします。


5.広さ:広いことがメリットになるとは限りません。家族の人数や生活スタイルにあわせて、自分たちの暮らしにあったサイズを選びましょう。

3-2.理想のリストに優先順位をつける

次に、リストアップした項目に対して優先順位をつけましょう。まずは一人ずつ優先順位をつけて、そのあとみんなで見せあい、夫婦や家族でどの項目を大切にするのか話し合いましょう。


優先順位の折り合いがつかない場合は、点数化して合計値や平均値にして検討する方法もあります。


3-3.絶対に譲れない条件こそが自分が大切にしたい条件

理想リストの中から、「これだけは譲れない」という条件を選んでみましょう。数ある中の条件から最優先事項を決めることで、夫婦や家族と話し合うときに役立ちます。


「これだけは譲れない」を選ぶ際の方法として、自分が今住んでいる家で『気に入っていること』『気に入っていないこと』を書き出すと、自分のライフスタイルに合った項目を見つけやすいですよ。


3-4.条件について家族でしっかり話し合うこと

条件をリスト化することは、夫婦や家族と話し合う材料にするためでもあります。
一緒に暮らしていく人がどんな希望を持っているのか言葉に書き出すことで明確になり、そして、お互いに「なぜそれを希望しているのか」理由を話し合うことで、条件のすり合わせをおこないます。

ここで手を抜くと、新居に引っ越してからのトラブル勃発につながりかねません。面倒くさがらず時間をかけておこなうことをおすすめします。

ママの悪いくせ。自分でなんでも決めてしまうという事はないですか?
大きな買い物です。是非、旦那さんの意見も十分に聞いてみてください。ずっとお金を払い続けていくものになります。後悔のないように。

4.譲れない条件と予算の兼ね合いが取れた家こそ後悔しないマイホーム



マイホーム選びには、気を付けるべきことややるべきことが数多くあり、億劫な気持ちになりがちですが、念願のマイホームを手に入れることは、自分たちらしい生活を手に入れられる一歩でもあります。


理想をリスト化したり、夫婦や家族と話し合ったりする時間は、お互いのことを理解しあえる貴重な機会でもあります。
ぜひ楽しみながら挑戦してください。