丁寧に物件見学することは、契約後のトラブルを防ぐためにも重要なこと。だからといって、あら探しするのではなく、実際に住んだ様子をイメージしながら確認していくことが大切です。


希望の条件が多くなるほど、理想の物件を見つけることも難しくなります。どうしても譲れない条件を決めて、妥協できるポイントと妥協できないポイントを自分たちで把握してから見学に臨むとよいでしょう。


私が住宅購入前に賃貸で住むのに、探したときは、こんなことは全く考えずに、ただ住みたい地域近くの不動屋さんに行き、家賃の予算を伝えただけで数件を案内してもらっただけでした。


まず、1件目に行き、次からは1件目と比較しながら「さっきよりはいいね」「さっきよりは、ここがダメで」なんて。
それでも見つからなければ、ただただ次の不動さんやさんを探すということを繰り返しました。


もちろん、手ぶらで行きましたし、こんなチェックポイントを知っておくこともなく。
これでは失敗するのは無理もないかもしれません。


そこで、賃貸住宅の物件見学に知っておきたいチェックポイントを紹介します。


1.物件見学



間取り図がよくても、日当たりや風通しは判断できません。これ、当たり前なのに、見落としがち!!
例えば周囲に幹線道路がある場合は、騒音が気になることも。物件見学はチェックポイントがたくさんあるので、一人で見学するよりも家族全員で確かめた方が安心度も高まります。


現地を案内してくれる不動産会社の営業マンに遠慮して、ササッと見るだけで終わってしまわないように心がけましょう。
現地では現実的な目線で隅々までチェックして、気に入った点と気になる点を確認しましょう。


許可を得て写真を撮影しておくことも大切です。複数の物件を見学する場合は、後で見比べるためにしておくと便利です!
記憶だけでは、ざっくりになってしまいますものね。

当日にあると便利な持ち物



・筆記用具
筆記用具も持参すると便利です。物件の間取り図をもらって、気になった点などを直接書き込んでいきましょう。やっぱり紙とペン!


・メジャー
手持ちの家具のサイズが入るかどうか、また窓の幅やカーテンレールの長さ、洗濯機置き場や出入り口の幅などをメジャーで計測しておくと入居後の室内をイメージしやすくなります。
特に大型のソファやドラム式洗濯機は室内に入らない、希望の位置に設置できない、といった事態が引っ越しのときに判明することもあります。


・周辺の地図
普段の生活では地図を見るときにアプリを活用する人が多いですが、物件見学には、アプリよりも地図のプリントを持参すると重宝します。あらかじめ気になるポイントを書き込んでおき、現地に足を運んだ際にどんな状況か確認していきましょう。


2.室内チェック


室内見学は、物件の仲介をしてくれる不動産会社に立ち会ってもらいます。物件の間取り図と実際の間取りを照らしあわせてみることが重要です。そうして室内の隅々までチェックすると1件につき30分はかかります。


そのため、あらかじめ余裕をもったスケジュールを組んで見学の予約を入れましょう。また、入居中で見学できない物件は、同じ建物内の別の部屋で案内してもらえないかどうかを確認してください。


・広さ
理想の広さはどのくらい?家具や電化製品の配置も考えながら、メジャーで図って入居後のイメージを掴みましょう。


・日当たり
日当たりは住み心地を左右する重要なポイント。タワーなどの高層ビルや同じ高さの建物が密集している住宅地は、南向きでも日影になってしまいがち。間取りだけで判断せず、昼間に見学してみましょう。

ちなみに我が家は、日当たりは最高でしたが、近くの高層マンションから丸見えなのでカーテンを閉めることが多く・・・。



・窓
窓は日当たりをもたらすと同時に、風通しも左右する設備です。室内がジメジメしていないか、かび臭くないかどうかも確かめておきましょう。はめ殺しの窓だったり、窓の向きによっては、風の通り道ができず十分に換気できないこともあります。


可能な限り窓を開閉して換気状態を確かめておきたいものです。また、外部から室内を覗かれないかどうかを確かめるためにも、窓から見える外の様子もチェックしておきましょう。


・キッチン
キッチンの大きさと、キッチン周りに収納を置くスペースがあるかどうかを確かめましょう。冷蔵庫置き場は、冷蔵庫の扉の向きによって開閉しにくい場合もあるので要注意。
ママにとって、キッチンにいる時間が一番長くなりますよね。使い勝手が悪いと疲れが増してしまいます。

子どもが小さいときまでは、キッチンが孤立していると何かと不便。対面式キッチンが何よりもありがたかったです



・収納
押入れやクローゼットは十分な大きさがあるか、タンスやキャビネットなどを置ける壁面はあるかを中心に確かめます。廊下や柱などのデッドスペースを活用した収納があれば、なお便利。


・バルコニー
バルコニーに洗濯物や布団を干してもOKなのか?物干しに十分なスペースはあるのかを確認しましょう。子どもが小さいうちは、おねしょをしたり、また嘔吐なども多く、大きな洗濯物が増えます。ここはしっかりとスペースがほしいものです。


・設備、仕様
取り付けてあるエアコンの動作、室内や水回りの汚れの有無を確認して、不具合がある場合はどう対応してもらえるのかを確かめておきましょう。


・コンセント
コンセントの位置次第で家具の配置が制限されたり、タコ足配線の原因になります。面倒でも間取り図に書き込んでおくと、家具のレイアウトを決めるときにも役立ちます。
子どもは配線やコンセントが大好き。笑。


3.共用部チェック



共用部分は一見気になりにくいかもしれませんが、管理状態や防犯性を知るうえで重要な手がかりになります。
特に廊下やエントランス、ゴミ捨て場など日頃よく使う部分は、清掃が行き届いていると築年数が古くてもキレイに見えて、実際に住んでも気持よく過ごせます。


逆に管理が行き行き届いていない物件は、住人が無防備だと思われやすく、犯罪が起きやすくなるという意見もあります。入居後のことをよく考えながら、しっかりチェックしてくださいね。



・エントランス
ゴミや汚れが目立たないかどうかを確認しましょう。子どもがいる家庭にとって、清潔な住まいは欠かせません。エントランスはマンション管理が問われますので要チェックです。

エントランスが汚いだけのお友達の家を、「汚いおうちに住んでいる」と子どもが思っていてびっくりましました。



・共用廊下
掃除が行き届いているかどうかをまずチェック。廊下が住人の私物でふさがっていないかどうかも確かめておきましょう。


・駐輪場
家族の自転車を停められるスペースはあるかどうかを確認しましょう。駐輪場を利用する場合の駐輪代も確かめて。最近は複数台のところは請求されます。
子どもが大きくなると、所有台数は増えますよ!



・ゴミ置き場
管理の状態はゴミ置き場にも現れます。ゴミは毎日捨ててもOKなのか、ゴミ置き場が汚れていないかどうかも確かめましょう。
おむつをする時期などの場合、こまめに捨てることができるのは本当にありがたいものです。


・防犯設備
エントランスはオートロックになっているかどうか。なっていない場合、防犯カメラは設置されているかを確認しましょう。エレベータにも防犯カメラが設置されている方がおすすめです。


4.周辺環境チェック



周辺環境や街の雰囲気は毎日の暮らしに影響を与える大切な要素。建物だけを見るのではなく、周辺環境もとことんチェックしておくと判断しやすくなります。車で物件見学に案内された場合は、自分たちだけで現地周辺を訪れておきたいもの。


焦って見て回ると肝心なことを見落としてしまう可能性もあります。その日に周辺を回れない場合は、当日の契約は避け、確認すべきポイントはきっちり見ておくことが大切です。



・最寄り駅から現地まで
車で現地まで入った場合でも必ず徒歩で所要時間の確認を。昼と夜、平日と休日で雰囲気ががらりと変わる周辺環境。可能な限り昼と夜の両方の時間帯で現地へ出かけてチェックしましょう。夜は街灯が十分に設置されているかどうかも忘れずに確かめましょう。


・駅周辺
駅まで自転車を利用する距離ならば、駐輪場の空きがあるかどうかを確かめておくとよいでしょう。最寄り駅までバスを利用する場合は、始発・終発のバス時刻やタクシー乗り場の有無も要チェックです。

・自宅から学校まで
小学生のいる家庭では、一人で通学しても問題ないかどうかがチェックポイント。通学路の死角や交通量、人通りはあるかどうかなど、危険性を感じる部分はないかどうかを確認しておきましょう。
地図だけでは判断できない部分なので、実際に子どもが歩くペースで通学路を歩いてみることが大切です。


・子育て環境
小児科クリニックやスーパー、子どもたちだけで遊べる公園や児童館などの施設が近隣にあるエリアは、子育て世帯に暮らしやすいといえるでしょう。
クリニックの診療時間と休診日、スーパーの営業時間、公園の雰囲気などが自分たちのライフスタイルと合っているかどうかを確かめましょう。


子育て環境に関しては、>>子育てに適した住まい選びのチェックポイントに、より詳しく書いています。こちらをご参照下さい。



・道路
物件前の道路は信号の数や交通量の多さを確認しましょう。マイカーを利用する家族なら、物件前の道路から幹線道路へのアクセスも確かめておくとよいでしょう。


・周辺施設
物件周辺には何があるかは地図で確かめられます。音や匂いに悩まされる施設がないかどうかを確認して、現地周辺で実際の様子を確かめましょう。


私は仕事上、休日に下見に行ったのですがとてもいい環境だと感じました。しかし、念のために平日に行くと・・・。すぐ近くの小さな工場では鉄を裁断する仕事をしており
びっくりする音が。子育てママには、辛い環境でしたのであきらめました。
是非、平日と休日の両方をお勧めします。


5.まとめ

「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、ぬかりなく確かめておきたい賃貸住宅の物件見学。
時間のかかることだからこそ、ある程度の余裕をもって物件探しをスタートすることも肝心。わからない点は不動産会社の営業マンに確認して、自分たちが納得のいく住まいを見つけましょう。