待機児童の問題が世間を騒がし、「保活」という言葉も世に出るようになりました。「保育園に入るのは大変だ」「保育園のために引っ越す」などさまざまな情報が流れていますが、そうした情報を聞いて焦るだけでは保育園に入ることはできません。
まず保育園はどのように探せばよいのか、入園するためには何が必要なのかなど知っておく必要があります。
この記事ではそれらの情報と入園申請をする前に考えておくべきことをご紹介します。
1.市役所情報から
保育園の情報について調べるためにインターネットで検索する方も多いでしょう。しかし、インターネットの情報は古いこともありますし、自治体によって変わってくる場合もあります。
ここでは市役所で保育園の情報を手に入れる際の注意点をご紹介します。
1-1.まず調べなければならないことは?
前述したように保育園について調べる際には、インターネットで検索するだけでは不十分です。ネットの情報は古い場合もありますし、間違っている場合もあります。
正しい情報は役所に行って聞く方が確実です。役所で保育園について聞く場合は電話で聞くこともできますが、直接窓口に行って相談する方がいろいろな情報を手に入れることができます。
お仕事をしているママなどは、時間が取れないこともあるかもしれませんので、自身の妊婦健診の帰りなどを利用して役所の窓口に行ってみましょう。
1-2.役所のどこにいく?何を聞く?
役所に行った際に何を聞けばよいのか考えておかないと役所に行っても時間の無駄になってしまいます。では保育園について聞く際に、役所のどこに行って、何を聞けばよいのでしょうか。
1-2-1.役所のどこに行けばよい?
役所に行った際にどこの窓口に行けばよいか分からない方もいることでしょう。私が住んでいる自治体では「こども家庭支援課」という窓口に相談に行きましたが、役所によって課の名称は違うと思いますので、役所の受付で聞いてみるのが良いでしょう。
1-2-2.何を聞けばよいの?
窓口に行った際に聞く内容については事前に準備しておいた方が良いです。
まずは自分の住んでいる地域に近い保育園の名前を調べておきましょう。
ネット上でも募集人数に対して何人は応募があったというデータを公表している自治体もありますが、実際に点数が何点ぐらいで入れたのかは役所に聞くのが確実です。
また、住んでいる自治体によっては、両親共働きでも入れない場合もあると言われる場合もあります。こうした情報を事前に入手しておくと認可外保育園を視野に動くこともできます。
保育園といえば4月入園が基本ですが、年度の途中でも入園することは可能です。年齢によっては定員に満たない園もありますので、情報を得ておく必要があるでしょう。
また、途中入園はできなくても一時保育を実施している保育園もあります。費用は掛かりますが、
年度途中でも預かってもらえますので、どの保育園で実施されているのか確認してみましょう。
1-3.今までの資料でいいのでもらっておきましょう
各保育園の詳細については各保育園でもらうしかないのですが、申請書類については役所でもらうことができます。
こちらは昨年のものでも良いのでもらっておくと、どんな種類を準備しておけばよいか分かります。年度が替わっても大幅に変わることはありませんので、資料はもらっておきましょう。
2.入園の申請をするまでに考えておくことは?
保育園に入るためには事前準備がとても重要です。事前に準備するのは書類だけではありません。ここでは保育園に入るために考えておかなければならないことについて説明します。
2-1.復帰時期はどうする?
保育園に入るためには復帰時期がとても重要です。
4月復帰が募集も多いので、4月仕事復帰する人が多いですが、赤ちゃんの月齢によっては預けられない場合もありますので、注意が必要です。
年度途中の復帰は難しい場合が多いですが、転園される方もいるので、こまめに情報をチェックしていると空きがある保育園も出てきます。4月復帰以外の時期を考えている方は役所とも連絡を密にとって、どの時期に復帰するのか考えておきましょう。
2-2.何ヶ所も視野に入れましょう
保育園に入るためには1か所だけ考えて、そちらに入園できるということはほとんどありません。
自治体によっては第6希望まで書く欄が用意されている場合があります。第6志望まですべて書く必要はないのですが、行く可能性がある保育園に関しては書いた方が良いです。
例えば自宅近くで入ることが難しければ職場の近くで考えることも可能です。ただし、住んでいる自治体が変わると入りづらい場合があるので、職場近くの自治体に確認しておく必要があります。
2-3.復帰予定、1才の誕生日と考えずに4月を考えてみましょう
1歳になるまでは自宅で子どもを見て、その後、保育園に預けたいという方も多いと思います。しかし1歳児の保育園は激戦です。
自治体によっては「兄弟がいないと入れません」「新設園でないと厳しい」と言われることがあります。そのため「保育園は0歳児から入った方が入りやすい」と言われることがあります。
2-4.ご主人にきちんと話をしてみましょう
保育園に送り迎えをするのは奥様だけではありません。ご主人も保育園への送り迎えをする可能性があります。
そういう意味では奥様の会社の近くだとご主人は送り迎えができないということもあります。
また、子供が病気になった時にどちらが会社を休むのか、保育園から連絡があった時にどちらがお迎えに行くのかなど話し合っておかなければならないことがたくさんあります。どの保育園に預けるかの前に、ご主人と送り迎えの分担から話し合っておきましょう。
3.保育園の見学は必ず行きましょう
預けたい保育園をいくつか選んだ後は保育園に見学する必要があります。ただし保育園をただ見学するだけでは意味がありません。
保育園で何を聞いた方が良いか、また、保育園に行った時に自分で確認すべきことは何か考えておきましょう。
3-1.見学の時期はいつがよい?
保育園に4月から入園したい場合は、11月ぐらいから申請を開始する自治体が多いです。その際に入園させたい保育園について十分検討しておくためには、夏までには見学しておいた方が良いでしょう。
もちろん保育園はいつでも見学可能ですから、もっと早い時期から見学しても良いです。例えば妊娠中であれば出産直前には見学できないですよね。妊娠中の方は動ける時に早めに見学するようにしましょう。
3-2.保育園に確認することとは
保育園に確認すべきことは以下の6つです。保育園の見学は、同じ園を何回も見学することはありません。これ以外にも気になることがあれば聞いておく方が良いでしょう。
以下、それぞれの内容を詳しく説明します。
3-2-1.保育園の方針、理念
まずは保育園の方針、理念を確認しておいた方が良いでしょう。認可保育園であっても運営しているのは民間ですから、それぞれの保育園によって育児の方針に差があります。
保育園によってはこだわりの教育法を取り入れているところもありますから、保育園に入った後に「あれ、考えていた保育園と違う」とならないようによく確認しておきましょう。
3-2-2.開園時間と最終時間
保育園の開園時間と最終時間は園によって違いますが、多いのは朝7:30~20:00まででしょう。ただしこれらの時間帯すべて預けられるわけではありません。
保育園の利用時間は保護者の就労時間によって1日最大11時間利用できる人と、8時間利用できる人がいます。
それ以上の時間については延長保育料がかかります。
開始時間と最終時間は保育園によって違いますので、確認しておく必要があるでしょう。
3-2-3.1クラスの人数と保育士の数
1クラスの人数は保育園によって違います。インターネットでもクラスの人数については調べられますので、調べておく方が良いでしょう。
保育士の人数は園児の人数によって変わります。
0歳児の場合はおおむね3人に1人、1、2歳児の場合はおおむね6人に1人、3歳児の場合はおおむね20人に1人、4、5歳児の場合はおおむね30人に1人と決まっています。
年齢が上がると保育士の人数が減るので不安になるかもしれませんが、国の基準でそのように決まっています。ただ不安がある場合は、どのような保育士が担当するのか聞いてみるのも良いでしょう。
3-2-4.おむつ?布団は?
おむつは保育園に持っていくのが一般的ですが、布団に関してはシーツだけ必要なところが多いです。ただしシーツだけの園であっても、保護者の方が朝、布団に取りつけなければならない園もあります。
コットを利用している園であればそういうことはないので、シーツをただ預けるだけで大丈夫ということがあります。
こうした違いも大きいので、布団についてはよく聞いておくようにしましょう。
3-2-5.アレルギーのある人への対応は?
保育園にはアレルギーの子供に対応したアレルギー除去食が準備されています。ただアレルギー除去食がどのようなものになるのかは、保育園によって違います。
また、どのようにアレルギーを持っている子供に対応しているのか聞いておく必要があります。
保育園によっては、普通の給食と除去食を間違えないように細心の注意を払っていないのではないかと思える保育園もありますので、よく話を聞き、実際にどのようにしているのか見ておく方が良いでしょう。
3-2-6.保育料以外にかかる費用は?
保育料に関しては収入によって決まるのですが、それ以外の費用は認可保育園であっても保育園によって違います。
保育料以外の費用が多くかかることもありますから、事前に確認しておく方が良いでしょう。
3-3.自分で確認することは?
保育園に見学に行く際には、実際に自分が保育園に行く際にどのように行けばよいのか道順を確認しておきましょう。
また、雨が降った場合にバスは利用できるかなども確認しておく必要があります。
さらに重要なのは、保育園に行った際には保育士はどのような人がいるのか、どのように園児に対して対応しているのか確認することです。
保育士に対して子どもたちがどのような態度を取っているのか、楽しそうなのかどうなのか、自分の子どもがこの園にいるとしたらと想像して考えてみると、この保育園で良いのか考えることができるでしょう。
4.入園の申請について
仕事の復帰時期が決まっているのに保育園に入れないということがあります。そうなった場合、最悪仕事を続けられなくなるということもあります。
ここでは仕事復帰するために、いつまでに入園の申請をしなければならないか説明します。
4-1.申請時期
前述した通り、4月から復帰したい場合は前年度の11月~12月に申し込みの受け付け期間があります。
自治体によってはインターネットで申請書類を手に入れることができる場合もありますので、ホームページも確認しておきましょう。
4-2.必要な書類などは?
保育園の入園を希望する場合はあらかじめ必要な書類をそろえる必要があります。
その書類は入園申込書、保育が必要な理由を記載する書類、住民税納税通知書、源泉徴収票・確定申告書、就労中であれば就労証明書などが必要です。自治体によって必要な書類が変わりますので、必ず確認しておきましょう。
4-3.「指数」(点数制)について
保育園に入るためには点数が高い方が入りやすいのはご存知ですよね。
両親共働きであれば点数は高いのですが、兄弟ともに保育園に預けることになると、さらに点数があがります。つまり両親共働きだけでは入園できない場合もあるのです。
自治体によっては両親が近くに住んでいると点数が下がったり、両親共働きでも家で仕事をしている場合は点数が下がったりすることもあります。
母子家庭の方が、点数が高くなるので、保育園に入れるために離婚するということも実際にあるようです。これについての考えは個人的なこととはいえ、度がすぎないように常識の範囲内にしておきましょう。
どのように点数が計算されるのか、また、点数が何点以上でないと入園が厳しいのか事前に確認しておきましょう。
あらかじめ認可保育園への入園が難しいと分かれば認可外も視野に入れて、保育園を選ぶようにしましょう。
5.まとめ
これまで保育園探しのポイントについて書いてきました。
保育園探しのポイントとして、市役所に行って正確な情報を入手し、仕事の復帰時期やどの保育園に入れるのかを話し合っておくのが大切です。
その上で保育園の見学をし、入園申請の書類を用意して提出する必要があります。必要な書類を忘れることなく、申請期限内にしっかりと準備しておきましょう。