子育て中のママたちは、どこでどんな仕事をするかと考える前に、どんな働き方がしたいのかを考える人が多いはず。
そこで自分らしい働き方を見つける参考として、雇用形態や勤務形態などの全体像を探ってみました。

1.働き方を考える


今どきのママにとって働くのは当たり前。現在は、多様な働き方が広がりつつあり、働き方まで選べるラッキーな時代です。
雇用形態やワークスタイルから、ママにとって理想的な働き方を探ってみました。


1-1.多様な働き方って何?


最近よく耳にする、多様な働き方。何となくわかったつもりでも、具体的には何を指すのかわかりにくいです。
実は、多様な働き方はママにとって大きな関係があるのです。一緒に見てみましょう。

簡単に説明すると、時間や場所にとらわれることなく、それぞれのライフスタイルや価値観に合わせた働き方を実現していこうというもの。
国の施策の一環としても、一人ひとりの事情に合わせて働き方が柔軟に選択できるよう模索している最中です。


現在進行形で子育てしているママが、家庭の事情に合わせて自分らしく働くことができたらうれしいですよね。
多様な働き方には、雇用形態も大きく関係しています。では、どんな雇用形態があるのかを見ていきましょう。


1-2.雇用形態の種類とは


子育て中のママにとっても決して無視できない雇用形態。それというのも、従業員と会社とが結ぶ雇用契約によって、いつまで働けるのかという雇用期間が全く変わってくるからです。
実際に仕事探しをするためにも、大きな判断材料となるので、その違いを知っておくと便利です。


■8つの雇用形態


◇◇雇用契約を結ぶ形態◇◇
正規社員 会社に正規雇用される形態です。
会社の倒産など特別な規定がない限り、終身雇用が確約されています。
派遣労働者 雇用契約は派遣元である人材派遣会社との間で労働契約を結びます。
働く場所は、派遣元が労働者派遣契約を結んでいる派遣先となる場合がほとんどです。
仕事自体も派遣先から指揮命令を受けて働くので、賃金やその支払い方法、労働時間の取り決めなど、派遣労働者のための細かいルールを定めています。
契約社員
(有期労働契約)
予め雇用期間が定められている社員のことで、会社と直接契約を結びます。
契約期間が終了すると、労働契約は自動的に終了することとなるのが特徴です。
契約期間の上限は、一定の場合を除いて3年です。
短時間正規社員 会社に正規雇用されるのですが、フルタイムの正規社員と違い、所定労働時間や所定労働日数が短くなります。
パートタイム 1週間の所定労働時間が、正社員と比べて短い働き方。
契約期間、契約更新の有無、仕事する場所と内容、始業・終業時間や残業の有無、休憩時間、休日・休暇、勤務シフト、給料とその支払い方法と時期を取り決め、書面で契約を結びます。
その際、自己都合の退職や解雇など仕事をやめる時の決まりも予め取り決めます。

◇◇契約によって異なる◇◇
在宅ワーカー 最近注目されているテレワークは、会社の正規社員でありながらも、職場に出勤することなく、在宅でパソコンとインターネット、電話、ファクスなどを利用しながら働く形態です。
その一方、クラウドソーシングの台頭により、「個人事業主」として扱われる「業務委託」や「請負」といった形態で仕事を受注する在宅ワーカーも増えています。

◇◇雇用契約を結ばない形態◇◇
家内労働者 企業や事業所から委託され、物品の製造や加工などを行う、いわゆる内職ワーカーを意味します。
家内労働者は「個人事業主」として扱われますが、「家内労働法」という法律により、家内労働手帳の交付や最低工賃などのルールを定められているのが特徴です。
業務委託
(請負)契約
「業務委託」や「請負」といった形態で働く個人事業主のこと。
法律的には「下請け法」が適用され、仕事内容や契約期間、下請け代金とその支払い方法などを取り決めて契約することが定められています。

2.自分に合った働き方を見つけよう


一昔前は、正規社員として働くことがよしとされてきましたが、今や派遣労働やパート・アルバイトで働く人も含めて非正規雇用は約4割を占めています。
それに伴い、非正規社員の雇用対策も変化し、正規社員が最善の働き方だとは言い切れなくなってきました。そうなると、仕事選びの基準の一つに考えられるのは条件です。どんな条件にこだわりたいのかを明確にしながら、自分にあった働き方を見つけたいですね。


こちらも参考にしてくださいね。>>【子持ち主婦向け】正社員と非正規社員の違い、主婦の割合、使える制度


2-1.社会保険に加入して働くには


専業主婦が仕事探しをするときに、一度は気になるのが扶養控除
健康保険や厚生年金にしても、夫の健康保険の扶養家族でいるために「年収130万円未満」の枠にこだわる人は少なくないでしょう。

ところが、平成28年10月から健康保険・厚生年金保険の加入対象が広がり、一定の要件を満たすと職場の健康保険・厚生年金保険に加入することができるのです。

この法律が適用されるのは従業員501人以上の会社や事業所。平成31年以降は従業員500人以下の事業所にも適用される予定です。
パートやアルバイト勤務でも、次の要件すべてを満たす場合は、社会保険に加入しなければなりません。


① 1週間の所定労働時間が20時間以上
② 月額賃金88,000円以上(年収106万円以上/残業代や交通費などは含まない)
③ 継続して1年以上雇用されることが見込まれる



年収106万円以内で働くには、職場や職種がかなり限られてきます。
それに加えて、夫の扶養控除も2018年1月からは150万円に拡大されるので、年収150万円程度に抑えて働いても、メリットはほとんどないのです。


これまで、我が家の節税対策に取り組んできたママにとっては悩ましい問題。ふるさと納税や確定拠出年金といった別の節税対策を考慮しつつ、働き方を考えてみてはいかがでしょうか。

「扶養控除」については下記事で詳しくまとめていますので、よろしければご覧ください♪

扶養控除の詳細ページ
1 【主婦の仕事】2018年から配偶者控除の税金はどうなる?150万円の壁

2-2.短い時間での働くには


●時短勤務の制度を利用する



子育て中のママにとって、時短勤務は実はすべての会社で必須条件です。「改正 育児・介護休業法」という法律(※)で、3 歳に満たない子を養育している男女の原則的な労働時間は一日6時間と規定されています。

※いわゆる日雇いと労使協定を定められた人は対象外

1)勤続 1 年未満の労働者
2)週の所定労働日数が 2 日以下の労働者


「改正 育児・介護休業法」は1年以上同じ派遣会社に所属している人ならば、派遣先が変わっても適用対象に。すでに仕事をしているママは、自分の職場で時短勤務を申請できるか確認してみましょう。
またこの法律以外に、独自の制度を設けている会社もあるので、調べてみてください。



●パート・アルバイトで短時間勤務に

ママの社会復帰の第一歩として最適なパートタイムやアルバイト。週2~3日だけでも可能な職場や、1日5~6時間だけ仕事をしたいという場合でも、遠慮なく時短勤務をできるのが大きなメリット。

多様な働き方改革の波は、パート労働者にも及んでいて、「パートタイム労働法」が2015年4月1日から施行されています。
この法律は、パートタイムやアルバイトであっても、正規社員との不平等が生じないように配慮されているのが特徴です。
具体的には「賃金、教育訓練、福利厚生などの待遇について、正規社員との差別がなくなる措置を取りましょう」というものです。



●職務の内容とは
%e7%84%a1%e9%a1%8c

出典:厚生労働省政策レポート

たとえば販売職は、正規社員もパートやアルバイトの人もの仕事が接客やレジ、品出しのほかに、クレーム対応や事務処理といったほぼ同じ業務をしている場合は、同じ職務とみなされます。



●人材活用の仕組みや運用とは
<img src=”https://mamakoko-osaka.com/mamanare/wp-content/uploads/2016/12/無題2.png” alt=”%e7%84%a1%e9%a1%8c2″ width=”598″ height=”305″ class=”aligncenter size-full wp-i

出典:厚生労働省政策レポート


たとえ転勤がなくても、担当の配置転換や部署の異動などが正規社員と同様にある場合は、人材活用は同じとみなされます。

この「パートタイム労働法」は、企業や事業所の努力が必要な制度です。

パートタイム労働者を重要な人材として位置づけ、資格取得のサポートや正規社員への転向を図っている事例も多数あります。

最初はパートで仕事を覚えて、いずれは正規社員に。そんなステップアップができるような職場を選びたいですね。


2-3.場所を選ばずに働くには


子どもが急に熱を出したり、台風や大雪で外出するのが困難になったり。外に出て働くのが不便に感じる機会は少なくありません。
そこで注目されている働き方が在宅ワーク。テレワークとも呼ばれていて、
大企業でも在宅勤務制度を導入するケースが目立っています。在宅勤務は次の2つのタイプに大別されます。



①内勤型テレワーク

これまでオフィスで働いていた人が、通勤しないで仕事をする仕組み。
メールや電話、テレビ電話などを活用することで、オフィスと連携を取りながら業務を行います。
「ちょっとこれコピーとって」という上司や先輩からの指示や、外からかかってくる電話対応などに妨げられることなく、業務がスイスイはかどるという理由で注目されています。通勤時間の時短効果と朝夕の通勤ラッシュを避けられることは、働く人にとってもメリット大。


②自営型テレワーク

個人事業主として業務を行うフリーランスの働き方。ここ数年、規模が拡大しているクラウドソーシングなどを利用して働くママたちが増えています。
好きな場所で、好きな時間に仕事するという働き方は、子育て中のママにとっても好都合。


仕事の内容は、ウェブのシステム開発から、ウェブデザイン、グラフィックデザイン、ライティング、翻訳、テープおこしに入力作業と、さまざまな種類があります。
ライティングや入力作業ならば、未経験者でもできる案件が多数あり、在宅ワークの初心者に人気です。


自営型テレワークの難点は、確定申告を自分で行わなければいけないこと。
慣れないうちは、利用するクラウドソーシングサービスをどこか一ヶ所に絞っておくと、面倒な記帳作業が比較的ラクにでき、お金の流れを把握しやすくなります。

320cce7780627c8fd4f6f1b499dfff87_s


3.最後に



収入や勤務時間などの条件は満足度を左右する決め手。その両方が納得できるレベルに到達することを目指して、自分らしい働き方を探ってみてくださいね。
働き続ければ、キャリアや仕事のスキルも増えていきます。正規・非正規にこだわらず、多面的な視点で仕事探しに取り組みましょう。