働くママや働きたいママにとって重要な出産後の保育園探し。


最近は、いろんなタイプの保育園も増え、働き方に合った園選びもできるようになったと聞くけれど、その実態はどうなの?と、愛するわが子を預ける園選びに不安いっぱいのママたちへ、ここで保育園の種類や傾向をお教えします!

保育園は厚生労働省の管轄で、保護者の就労支援が目的です。
すから、0歳児から預けることができます。


文部科学省の管轄になる幼稚園は3歳児からの受け入れが一般的ですが、これは教育のための施設という考えだからです。
同じ子どもを預ける施設でも保育園と幼稚園は目的が違っているのです。

保育園の種類は大きく「認可」「認可外」二つに分かれています。


1.認可保育園



施設の広さや保育士の人数など国が定めた基準を満たしており、国や自治体から補助金など運営の支援を受けている保育園です。
認可保育園は、自治体が管理しているということで安心感があり、保育料も世帯収入に合わせて設定されているため、子どもを預けて働く保護者に負担がかからないようになっています。 

 
この認可保育園は入園希望者が多く、定員の何十倍以上も申し込みが殺到している地域も珍しくありません。ただ、欠員待ちの申請もできるので、書類を出しておけば、年度中であってもアキが出たときに順次入園の案内が登録した自治体から届きます。

このように人気のある認可保育園の場合、希望する園に入れないこともあるため、復職する日程がきまっており、どうしても預けなければならないときは、認可外保育園の見学などを同時に進めておきましょう。



この認可保育園には、「公立」と「私立」がありますが、双方の保育料には差がありません。


保育料は世帯収入によって異なるため、東京都の場合、3歳児までの場合0円から約7万円の幅が、3歳以上でも0円から約3万円の幅が各自治体にあります(平成28年)。

保育料は各世帯の住民税(区市町村民税)の所得割額から、4月~8月分、9月~3月分の2回算定が行われ決定します。
「公立」、「私立」のどちらの保育園も認可保育園であれば、申し込みは市区町村役場の窓口になります。

1-1.市区町村が運営する「公立」

公設公営の保育園は、入園や保育の条件が同じ自治体内であればどこも同じです。また、ホームページなどに詳しく保育園の応募方法や保育料などが掲載されていることが多いため、情報がわかりやすく安心できます。

<いいところ>

市区町村が運営するため、保育園の内容に地域差がほとんどありません。予防接種など子育てに関する一般情報も伝わりやすく、忙しい保護者には安心です。

<悪いところ>

勤務する保育士は公務員となり、採用された自治体内での転勤があります。
子どもが慣れた保育士が、転勤ということもあります。また、イベントなども公務員の労働時間の関係で少ない傾向にあります。

【入園体験談】

公立にこだわったばかりに、競争率の高い、近くの園には入れず、ちょっと遠いところへ。毎朝の通園が大変でしたが、一番困ったのは、兄弟で同じ園に入れなかったことでした。

1-2.民間が運営する「私立」

公設民営もしくは民設民営の民間が運営する認可保育園です。


保育士の給料が公務員扱いの公立と違って低く抑えることもできるため、運営経費の負担軽減ということで公立の民営化が進んでいます。私立保育園は、園長や経営者の方針で、保育時間や行事など園にも個性が出てきます。

<いいところ>

設備や施設、保育士の数が認定保育園なので国の定めを満たしています。
自治体の管理面や、保育料も公立と変わらないところは民営でも安心できます。

<悪いところ>

保育内容が園長や経営する団体によって異なります。園の方針が、自分の子どもに合うかという見極めが必要です。

【入園体験談】

公立に比べお給料も安いのに、園長先生や保育士さんがいろいろと子どもたちのために頑張っている姿を見て、この園でよかったと思うことが多かったです。
定期的に開催する絵本の読み聞かせ会など、イベントもたくさんありました。

1-3.幼稚園と保育園が合体した「認定子ども園」

幼児園と保育園の良いところを合わせた園として、2006年にできた新しい制度の託児施設です。


自治体の提示する基準を満たせば認定されます。教育・保育を一体的に行う施設として今までの保育園や幼稚園とは違った子どもの可能性を引き出すと期待されています。

<いいところ>

さまざまな保育問題を解決するためにできた新しい園が多く、積極的に子どもたちが刺激を受けるようなプログラムを取り入れるといった特色ある園が増えています。

<悪いところ>

全国に4,000程度(平成28年)ありますが、ここ数年倍々と急激に増えており、運営の実態が把握しづらく、特に保育費の差が大きいことなどが指摘されています。

【入園体験談】

母親が働いていない家の子どもも多くいました。うちは共働きだったのですが、園のイベントの準備など、平日の親の手伝いが結構あって、不参加が続くと順番と言われ強制されるなど、幼稚園的な対応が多く困りました。


2.認可外保育園


認可保育園以外の保育園を示します。施設や保育士の数もさまざまで、保育料にも幅があります。


ただ認可外でも、昨今の待機児童対策で、自治体の補助金を受け、保育料などを公立と同様に設定している園もあります。
家庭的な雰囲気を大切にする園や、豪華な施設を売りにする園など、特徴もさまざまな認可外の保育園。


申し込みは直接園に希望を出すため対応が早く、また途中入園も自由です。
いろいろなタイプがあるので、入園を検討する園がどのような仕組みになっているのか、事前見学をお勧めします。

2-1.認可保育園とほぼ同じ「自治体が助成する園」

東京都や神奈川県など、保育園ニーズの高い地域では、認可保育園の基準に満たない施設でも待機児童対策として自治体が支援する保育園があります。
無認可といっても自治体の監視や指導が入るので、きちんとしている保育園です。

<いいところ>

認可保育園と変わらない保育をしているところが多く、無認可であっても安心して子どもを預けることができます。

<悪いところ>

認可保育園に入園が決まるまでの予備園と考える保護者も多いため、園児の通園期間が比較的短く、環境的に落ち着かないことも。

【入園体験談】

年度の途中から急に働くことになり、市役所から紹介されて入園しました。
先生方や保育には問題はなかったのですが、一軒家を改装した古い保育園だったため、老朽化した施設が気になり、結局、認可保育園入園の申し込みを続け約半年で転園しました。

2-2.会社の中にある「企業内保育所」

企業が子育てしやすい環境を目指した保育園です。
働く社員のために企業が独自に、福利厚生の一環として保育施設を職場近く(職場内)に設けるケースが増えています。

<いいところ>

働く場所の近くにあるため、勤務時間に合わせた託児ができます。また、子どもの突然の熱など、園からの呼び出しにも対応がしやすく便利です。

<悪いところ>

通勤電車に子ども同伴で乗らなければならない場合、通勤ラッシュに余計なストレスがかかるところや、住居エリアの同年代の友だちができにくいことも。

【入園体験談】

最初は便利だと思いましたが、うちの会社の場合は保育料が時間制でしたので、残業したら、保育料が結構費用が高額に。
また子どもと離れていられる時間を感じることがないので、ストレスはたまりました。

2-3.一時預かりの「託児施設」

一時預かりを専門にした「ベビー・ホテル」やインターネットで予約ができる託児所施設など、便利な託児施設が増えています。

<いいところ>

24時間対応で子どもを預かってくれるところも多く、突然の出張や残業など、働く母親の困った時にいつでも利用ができます。

<悪いところ>

保育施設としての基準が特に設けられていない少人数の施設が多いため、保育士の質など注意が必要です。
保育料も高めの傾向があるので、信頼できる施設を探す必要があります。

【入園体験談】

親の急な入院で、どうしても夜間まで子どもを預けなければならない状態になってしまいました。友人の紹介でベビー・ホテルを利用しましたが、思った以上に保育士さんが親身になって接してくれました。
育児ストレス解消にもなるため、疲れているときなど仕事がオフの日も利用してもよいと思います。

3.その他の預け先



保育園以外でも、子どもを預かる新サービスがあります。保護者の健康状態や家庭の事情など、イザというときに役立つ預け先です。

3-1.自宅で預かる「保育ママ」

保育士や幼稚園の先生で研修を受けた有資格者が、自宅で産休明けから3歳までの子どもを預かるサービス制度です。


家庭的保育事業として位置づけられ、自治体が基準を設けサポートしています。

3-2.ファミリーサポートセンター

孤立しがちな子育て環境を「預け合い」で、コミュニケーションの輪を広げようと自治体が取り組み始めた制度です。


預かりたい家庭と預けたい家庭を登録し、ニーズに合わせてマッチングします。平成27年度からは、「地域子ども子育て支援事業」として全国で実施されるようになりました。

3-3.幼稚園の預かり保育

幼稚園の在園児に対し、通常の退園時間後もそのまま子どもを保育するサービスです。
働く母親も多くなる中で、時間外対応する幼稚園は増えています。

このように保育園の種類も多様化していますが、ママにも子どもにも合うところがみつかるといいですね。